2026-2027 AUTUMN&WINTER – vicissitude – 変遷-時代の移り変わり

《王道から自分らしさへ価値観の再定義を図り変化を楽しむ》

関税・保護主義の流れが確定的になり、製造業の国境をまたいだサプライチェーンの課題が改めて浮き彫りになりました。

文化、社会、技術、自然環境――
さまざまな領域でその伝統や慣習が変容しつつある不安定な世の中でも個性を発揮する自分らしいプレイスレスな価値が求められています。

過去から現在に至るまでの流れを理解し、多様なスタイルを経てバージョンアップした

”わたし”に合うもの、良いものを見極めることとは?

「気分に合わせて楽しみたい」「リフレッシュしたい」といった”軽やかな”時代のニーズに合わせブランドの考え方を『乗せる』仕組みつくりや、『伝わる』を意識した一貫性がありブランド体験につながる透明性のある物語ストーリー全体への価値が肝要となるでしょう。

”ブランドとは信頼の上に築かれるもの”。

創り手の強みである「感情を動かす力」を活かしながら、普遍的な価値をもつことに焦点をあて古き良きアメリカン イタリアン フレンチ ブリティッシュといった気が利いたあしらいや五感を刺激するリアルな体験こそブランドへの愛着や親近感を高める効果となり服を纏うことの愉しさと日常の彩りを演出することができるでしょう。

◎ミラノウニカ展素材傾向総括

『第41回MILANO UNICA』が7/8-10イタリア・ミラノRHO FIERAで開催されました。

 イタリア国外からの来場者の昨年比は10%の増加傾向。

オランダ(+46%)、ドイツ(+33%)、英国(+23%)、米国(+16%)、フランス(+14%)、日本(+9.5%)、中国は2024年7月対比(-3.5%)、韓国は(-14%)。

Ideabiellaイデアビエラ、Moda Inモーダイン、Shirt Avenueシャツアヴェニューに出展した584社の出展者(+2.6%)、その中で459社のイタリア出展と並んで、ヨーロッパの出展者が +8.7%で大幅な成長が際立つ結果となりました。

生地価格の動向

イデアビエラの生地プライスは25-26AWシーズンを比較すると、人件費の上昇により各社平均では1~3%アップで微増となっています。

関税・保護主義の流れが確定的になり世界経済では、地政学的リスクやインフレ圧力が続き製造業の国境をまたいだサプライチェーンの課題が改めて浮き彫りになりました。

特に、アメリカの金利政策やヨーロッパの経済指標が注目されており、これらが円相場にも影響を与える要因となり、円安が続く可能性が高いと予測されています。

26-27AWシーズンのトレンド

このような情勢の中でドレススタイルの方向性として“エレガントさ“を逸脱しない幅広いマーケットをターゲットにしたプレーンでベーシックなモノづくりが台頭しています。

スーティングを基軸に“伊・サルトリアスタイル”と“英・サビルロウスタイル”の2曲のエレガントを想起させる素材軸が新たな流れとなり、オーダースーツの色柄を既成スーツへ置き換えることで新しさを表現しています。

一見でリッチさが伝わる手持ち感やフラットで陰影感のあるメランジ感、秋冬版フレスコという考え方が浸透するなどシーズンレスで着用できるものが幅を広げ、ウールの可能性を追求するモノづくりが改めてクローズアップされています。

この物創りにおける“意識の転換“が、より重要なシーズンと捉えることができます。

◎会場では2026-2027年秋冬シーズンに向けて、3課おすすめするリコメンドクオリティを集約したコーナーを設け生地とその製品展示を行いました。

伊、英、仏、トルコ、ポルトガルなど ヨーロッパ中心のメンズ・レディース合わせた素材メーカー約100社以上のコレクションをご提案させて頂きました。