メディア 2025.08.22
【24年度服地卸売上高ランキング】19社合計は2.2%増の1538億4700万円 海外市場の深掘りや国内SC維持に力
【24年度服地卸売上高ランキング】19社合計は2.2%増の1538億4700万円 海外市場の深掘りや国内SC維持に力
繊研新聞電子版:2025年8月22日(金)更新
繊研新聞社が服地コンバーター・卸企業を対象に実施した24年度の業績調査によると、前年と比較可能な19社の服地売上高合計は1538億4700万円、2.2%増となった。
23年度の11.0%増と比べると伸び率は大きく鈍化したものの、回復が続いている。
引き続き国内市況については厳しいという意見が多い中、各社ともに海外市場での訴求や国内サプライチェーンの維持に力を注ぐ。
19社のうち増収は10社で、減収は9社だった。
ランキング上位企業は明暗が分かれたが、減収企業でも大きな落ち込みは見られなかった。
回答企業数は年ごとにやや異なるが、20年度増収3社、減収19社。21年度増収13社、減収9社。
22年度増収14社、減収6社。23年度は増収14社、減収7社。
服地売上高の合計は20年度24.1%減、21年度2.3%増、22年度21.7%増、23年度11.0%増だった。
上位のシェア増加続く
24年度の上位1~5社の売上高合計は1152億6900万円で、前年比4.1%増、19社に占める割合は74.9%(昨年度は21社の73.5%)となり、上位企業のシェアの増加が続く。
19社の売上高の伸びは約34億円。
比較可能な企業の中で輸出比率が前年より伸びたところは14社中6社となった。
伸び率こそ低下したものの、引き続き重要戦略として位置付けている企業が目立った。
首位のスタイレム瀧定大阪は非公表だったものの、北米や中東向けが伸びているという。
ただ、米中問題や中東情勢、欧州の長期経済停滞不安定要素が大きく予断を許さないと指摘する。
国内産地との取り組みを一層増やし、付加価値の高い商品提供に注力する。
欧州、アジア、北米を重点エリアとして位置付けるのは瀧定名古屋。
円安による原燃料高や物流費高騰などの影響も継続しているものの、販売価格の適正化を進め利益確保に努める。
また、多機能素材「ナイロール」は欧米市場やアジア市場向けの展示会で注目が集まり、戦略的開発素材として機能素材提案による付加価値販売に伸びしろがあると話す。
機能性や優れた風合いなどで日本素材の引き合いが高まっている中、国内サプライチェーンの減少は引き続き課題だ。
価格交渉やDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用などを通じ、各社は産地への支援に力を入れている。
(記事内抜粋)