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メディア 2025.06.11

《継続と進化 26年春夏ファッションテキスタイル㊤》シアー 軽やかさが鍵、装飾で付加価値

《継続と進化 26年春夏ファッションテキスタイル㊤》シアー 軽やかさが鍵、装飾で付加価値
繊研新聞電子版:2025年6月11日(水)更新
 

欧州素材見本市を皮切りに始まった26年春夏向けファッションテキスタイル商談が一巡した。
猛暑に対応し、涼しげで軽やかな印象を与える素材や色が注目された。
シアーや天然繊維使い、天然調合繊の提案が揃った。

 

自然から着想

 

アイスブルーのひんやりとした色を来春夏のキーカラーに挙げたのはプルミエール・ヴィジョン(PV)パリ。
北欧の凍ったような風景を連想する色で環境問題へのメッセージを改めて訴え、
水のような透明感や空気をはらんだような軽やかさに着目した。
ミラノウニカ(MU)も自然から着想を得たトレンドテーマを掲げた。

 

春夏素材には「シアーと軽やかさが欠かせない要素」(ビアン)との認識がすっかり定着した。
サンウェルは「透明はここ数年注目されているキーワード」とし、
来春夏は冷たさや涼しさを感じさせる透明感や光沢感がポイントになるとみる。
「長く暑い夏を乗り切るための清涼感ある透け素材」(宮田毛織工業)
というように、猛暑対策として推す企業もあった。

 

イチメンは綿・キュプラを新しく作った。
チェックがトレンドに浮上すると期待し、視覚効果でオンブレーチェックにも見えるストライプをイチ押しする。
モエランスタジオは絵画のような柄をのせたボイルやチェック柄のメッシュを薦める。

 

清涼感に個性

 

トレンドは継続しているが、装飾を施したり、重ねて膨らみを出す点で進化している。
透明感と同じく長く支持される「意匠性」の要素を加えて、
涼やかさや軽やかさのなかにも個性を表現したテキスタイルが目立った。

 

宇仁繊維は表面感のあるシアー素材が好調で、加工や装飾で付加価値を高めた
テキスタイルが国内外問わず求められているという。
刺繍をしたオーガンディは、インターテキスタイル上海アパレルファブリックス25年春夏展でも引き合いがあった。
市場でプリント需要が落ち込む中、プリントでデニム調に仕上げたシアーが動いている。
プリーツ加工もでき、色落ちせず軽やかな点が人気の理由だ。

 

瀧定名古屋は、暑く長い夏に向け、快適性や軽やかさを重視した。
絽や紗を参考にして高通気性を実現した素材群を揃え、デニム風プリントをしたからみ織りを紹介。
薄地のサッカー調やメッシュなども企画した。

 

ほどよい透明感を打ち出したのはカゲヤマだ。
「レイヤードスタイルに取り込み、猛暑でもおしゃれを楽しめる」として、
超薄地のオンブレーチェックをカジュアルウェア用途に提案。
シャーリングを寄せてふんわりと軽いチェックやストライプも訴求する。

 

PVパリやMUでも装飾的なシアーが多く見られた。
独創的な素材を作るフェデリコ・アスペジは、刺繍をしたオーガンディやガーゼを充実。
モチーフを装飾して立体感や動きを加えたシアーを提案した企業もいくつかあった。

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