メディア 2025.11.11
住友金属鉱山 赤外線吸収素材「ソラメント」 遮熱性で用途開拓 衣料や農業分野など
住友金属鉱山 赤外線吸収素材「ソラメント」遮熱性で用途開拓 衣料や農業分野など
繊研新聞:2025年11月11日(火)更新
住友金属鉱山は近赤外線吸収ナノ微粒子を「SOLAMENT」(ソラメント)の用途開拓を強めている。
使い方によって遮熱や暖か機能が出せ、衣料、農業資材など幅広い分野に提案する。
2年に開発した素材で、車両や建物の遮熱ガラスなどで高い採用実績を持つ。
太陽光などの近赤外線を吸収することで遮熱効果が出せるほか、
肌近くに使用すると温熱機能を持たせられるなど応用も可能。
このため、一昨年からブランディングを開始し、多用途展開を進めている。
衣料分野では瀧定名古屋と組んで販路を開拓する。遮熱、暖か機能などのほか、
近赤外線カメラを使った盗撮防止などにも効果があり、幅広い機能を打ち出す。
今秋冬はオンワード樫山「アンフィーロ」のリバーシブルダウンなどに採用された。
農業資材分野にも着目し、国内で開かれた関連の展示会に出展した。
すでに実績が出ているのが遮熱シート。織物メーカーの能任七(石川県かほく市)と組み、
ソラメントを練り込んだポリプロピレン糸の織物シート「青天張」を商品化している。
光合成に必要な可視光を通しつつ、遮熱することで作物へのダメージを抑える。
夏場の猛暑もあり、売り上げを伸ばしており、さらに拡販を狙う。
温熱機能では、冬場の水耕栽培での活用を模索する。
これまでボイラーを使って冷水を昇温させていたが、ソラメントで代替するというアプローチ。
このほか作業者の暑熱対策として、空調服と協業したウェアを試作した。
最外層の生地にソラメントを使用することで外側から遮熱し、ファンによる冷却効果を最大化させる狙い。
農業関連は海外市場にも期待し、米国での展示会にも出展した。
並行して農地での実証も進め、南欧、トルコで準備中だ。

