メディア 2025.09.02
瀧定名古屋 次世代の太陽光対策素材
瀧定名古屋 次世代の太陽光対策素材
繊維ニュース:2025年9月2日(火)更新
瀧定名古屋は次世代の太陽光対策の繊維素材として「ナイロール」を訴求している。
近赤外線を吸収できるのが特徴で、熱中症や肌の老化防止などに役立つ。
複数の生地ブランドを展開しており、多彩な用途に提案する。
従来、太陽光対策の素材としては、日焼けや染みの要因になる紫外線(UV)防止をうたったフルダル糸が中心だった。
地球温暖化が進み、世界各地で気温が上昇する中、同社は新たな太陽光対策の素材開発を急務としていた。
着目したのが近赤外線だ。
太陽光に含まれる光の一種で、UVが太陽光に占める割合はわずか6%ながらも、近赤外線は42%と半分近くを占める。
そのため太陽光対策では、近赤外線への対処が重要になる。
近赤外線はUVなどと比べて、波長が長く体の奥深くまで届く。
皮膚の深層にある筋膜に影響することで、たるみやシワを引き起こす原因になる。
近赤外線は熱を伝える性質を持っているため、体の深部体温を上昇させ、熱中症の要因にもなる。
ナイロールは、住友金属鉱山が展開する近赤外線吸収のレアメタル由来のナノ素材「ソラメント」を活用し開発した。
近赤外線を吸収することで、体の奥まで届かないようにするため、肌の老化や熱中症を防ぐ効果が期待できる。
糸は再生ポリエステルにソラメントの原料を混ぜて紡糸した練り込みタイプ。
2020年から本格販売を始めており、顧客からの評価も上々だ。日本と中国で生産する。
ナイロールを使った生地も展開。
近赤外線とUV防止機能で光老化予防をうたった「トゥルーボーテ」は小学校の体操服やアウトドアブランドのポロシャツなどに採用された。
ほかにも蓄熱保温効果や遮熱効果、赤外線盗撮防止などの生地をそろえる。
アパレルだけでなく、スポーツや雑貨向けなどの開拓を進める。