メディア 2025.10.06
瀧定名古屋 ウール深掘りし需要喚起
瀧定名古屋 ウール深掘りし需要喚起
繊研ニュース:2025年10月6日(月)更新
瀧定名古屋の紳士服地部は、ウールの提案を深掘りする。
開発力を生かして生地のバリエーションを広げ、ウールが持つ良さを改めて訴求する。
26秋冬向けでは、スポーツ・アウトドア分野を意識した次世代ウールを打ち出すなど、上質感と機能性を融合して需要の喚起を図る。
紳士服郊外店を中心にウール離れが指摘され、同部における26春夏向けの紳士服地販売も厳しさが増した。
一方でスポーツ・アウトドア分野の一部では「ウールのニーズが増えている」とし、機会はあるとみる。
さまざまな角度から生地開発を行い、従来のスーツ・セットアップに加え、幅広い用途に提案する。
26秋冬の重点用途の一つが、スポーツ・アウトドア分野のタウンユースだ。
ウールと合繊を組み合わせた次世代ウールを投入するが、ウールライク合繊とは異なる発想で開発した。
「合繊見え(合繊ライク)」する生地感に、ウールが持つ上質感を組み合わせた。
具体的には、ウールをナイロンでカバリングした糸を使った生地などを打ち出す。
「ウールには風合いや見た目などに加え、消臭や吸湿といった機能がある。
それらを顧客に伝えたい」とした。スポーツ・アウトドア向けはまだ数%程度だが、その分伸び代はあると捉えている。
26秋冬向けでは多様な生地をそろえる。
中国の協力先に設備を導入して別注で生産した生地は、ウール100%でナチュラルなストレッチ性を持つ。
フランスの高級生地メーカー、キャリーマン社で作ったウール・ポリエステル・ポリウレタン弾性繊維複合生地もラインアップする。
同部2課はこのほど26秋冬向けの展示会を東京都内で開催し、これらの生地を顧客に提案した。
展示会ではウールのバリエーションのほか、構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を使った生地、ポリエステル短繊維使いの生地、インドで生産した生地なども紹介した。