メディア 2025.10.28
瀧定名古屋26~27年秋冬婦人服地 ハリのある素材で構築的なシルエット エレガンス回帰、きれいな形
瀧定名古屋26~27年秋冬婦人服地 ハリのある素材で構築的なシルエット エレガンス回帰、きれいな形
繊研新聞:2025年10月27日(月)更新
瀧定名古屋の26~27年秋冬向け婦人服地は、素材の質感を重視した提案を強める。
エレガントで構築的なデザインのアイテムを実現する素材を充実させる。
(小坂麻里子)
糸設計や加工にこだわり
ワイエットラグジュアリーの潮流を経て、改めて上質なテクスチャーや
洗練されたシルエットに注目が集まるとみる。
さらに「春夏のカジュアルトレンドに対し秋冬はエレガントが戻ってきている」ことから、
構築的なテーラードジャケットやプルオーバーが増えると予想。
そのためハリ・コシのある素材が欠かせない要素と捉えた。

製品展示では圧縮や縮絨(しゅくじゅう)加工したウール、ハードなレザーを使い、
トップの形をきれいに出した。
ブラウスは華やかなボウタイに注目。金のラメ糸でアクセントをつけたアニマルプリント、
ウール・ナイロンのフライスなどをラインナップする。
これらも適度なハリ感を重視し、形をきれいに出すための軽さにこだわった。
高密度の綿・ポリエステル生地はタンブラー加工によるシルクのようなきしみ感で
綿のタイプライターとの違いを出す。
キュプラはフィブリル加工で擦れ感を出し、ビンテージ調に仕上げた。
秋冬でも軽やかな色柄に

エレガントなボウタイブラウスに注目
シーズンカラートレンドは、クワイエットラグジュアリーやジェンダーレスの傾向から
ダークでニュートラルなものが多かった昨年に比べ、
生き生きとした鮮やかなトーンで「一歩進化した形」となる。
よりオレンジや赤みのある茶、カーキ、黄が増え、補色でロイヤルブルーも登場しており、
「クラシックの流れの象徴」とみる。
柄は秋の立ち上がりを意識して地の色を工夫する。
白地にアニマル柄プリントなど、重くなりすぎないようにした。

豊かな質感の表現として動物の毛並みのようなボアやファーを増やす。
ファーの上にプリントすることで、よりミンクのようなリアルさを出す。
一つの服を大切に長く着る傾向を受け、トレンド要素は細部にちりばめる。
かすり調の色糸やネップ糸にトレンドカラーを混ぜ、今様に見せつつも長く着られるようにした。

生地の寿命を延ばすうえでも上質な原料使いは欠かせない。
スーパーファインウール原料を使った高密度織物や梳毛素材で
継続トレンドであるワイドパンツのアップデートを提案する。
一方、これまで秋冬向けに打ち出していたウールのモッサーや
メルトンはコート需要の減少を受け、縮小。
その代わりに機能性素材を拡大させた。
秋物の立ち上がり時期の暑さを踏まえ、ジャカードやジャージー、
ベロアなどファッション性を持つ素材に
接触冷感や撥水(はっすい)機能を装備。
ウェルネスの意識の高まりから、もっちりとした着心地の良さもポイントにした。

