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メディア 2022.10.31

「多様化対応し価値ある商品を」 社長 瀧 健太郎氏 適時適品かつ安定供給が使命

繊維ニュース 2022年(令和4年)10月27日 木曜日 
トップインタビュー 瀧定名古屋
 
瀧定名古屋は消費者の志向や生活様式が多様化・複雑化する中で、それに対応できる商品提案を目指す。
瀧 健太郎社長は「価値ある商品を安定的に供給するのが当社の役割であり使命だ」と強調する。
かつてのような大量生産・大量消費の時代は過ぎ去り、サプライチェーンの混乱でモノ作りの難しさも
つきまとうが、「適時適品とは何かを突き詰めていく」と語る。
 
「多様化対応し価値ある商品を」 社長 瀧 健太郎氏
適時適品かつ安定供給が使命

 
  
―今後、繊維業界あるいは御社が進むべき方向性を教えてください。
 新型コロナウィルス渦を経て今の消費者や世の中では「安心安全」「健康」などがキーワードになっていると考えています。
ほかにもあるでしょうが、消費者の考え方や行動は多様化・複雑化していることは間違いありません。
服地や衣料品を扱う当社にとっては着て良かったと思える「楽しさ」を提案していきたいですが、
もちろんこの「楽しさ」というのも多様化しています。
世の中が激変していく中で消費者が求める「楽しさ」を見極め、価値ある商品として供給責任を果たしていくことが当社の役割です。
新型コロナやウクライナ戦争によって世界の生産や物流は混乱し、
サステイナビリティーの動きの中で作り過ぎないという動きも顕著ですが、
その上で、当社としては多様化する消費者ニーズに応えつつ取引先の機会ロスをなくし、適時適品で提案を進めていきます。
  
―今期(23年1月期)の商況はいかがですか。
 服地部門は経済が回復傾向にあったことで消費も上向き上半期は増収でした。
供給がタイトになったことで発注の早期化がみられました。
ただ、原材料やエネルギー、物流費の高騰に加えて、急速に進んだ円安で利益面への影響は避けられませんでした。
 製品部門も同じような状況です。
紳士服は苦戦したものの、婦人服が伸びたことで全体をけん引し増収基調で進んでいます。
ただ、こちらもコスト高の影響で利益面は厳しいことが予想されます。
きちんと顧客と話し込みをしながら価格面について理解を求めていくことが必要でしょう。
 海外販売はロックダウン(都市封鎖)によって中国向けが落ち込んだ上に、
米国向けも動きはよくありませんでしたので全体では上半期は減収でした。ただ、今後はもっと踏み込んでいきたい。
欧州の拠点では駐在員を増強しましたし、出張も行けるようになりました。
日本国内ではスポーツ向けや機能素材の充実を図っていますので、これらの商材を海外販売にも広げていきます。
  
―やはり、コスト高の影響は大きいですね。
 エネルギーの高騰については当社の仕入れ先が厳しいので、顧客へはこの辺りも含めて提案していくことが重要と考えています。
為替相場についてはどうにもできませんし、今後も円安は続くでしょう。
中国にある現地法人でのモノ作りも含めて、どういった方法でトータルコストを下げていくかも考えなければなりません。
商品が間に合わないことも深刻ですのでグループ戦略で柔軟に対応していくことも必要です。
  
―川上戦略の進捗(しんちょく)は。
 当社は備蓄販売というビジネスですが、提案のバリエーションを広げるため川上戦略を進めてきました。
中でも自家生産に注力していますが、原料から、紡績、生地、染色整理加工まで全ての工程に携われるため、
モノ作りの知識が蓄積できています。
原料、素材軸に沿った提案はもちろんですが、顧客に正確な納期を示すことなども可能となりました。
 自家生産はサステイナビリティーとの親和性もあります。
作り過ぎをやめて在庫を減らしていこうという流れの中で、生産機能があればそれが実現できるからです。
ただ、そのためにも価値を提案し消費者に響く商品を作らなければ意味がありません。
その価値についても自家生産によるストーリー、感性、技術が掛け合わさって初めて実現するものだと考えています。
 
―デジタル技術で企業を変革するDXへの取り組みは。
 3Dを中心に製品、生地の両面でDXを推進します。
特に生地のデータ化を急ピッチで進めています。
3D技術を生かして人材の育成にも力を入れます。
 
[略歴]
たき・けんたろう
1999瀧定入社。2010年4月瀧定名古屋取締役、14年1月瀧定紡織品〈上海〉総経理兼瀧定香港総経理、
18年1月瀧定名古屋取締役職能部門担当補佐を経て、同年8月から現職。
 
 
秋と言えば
 「この時期はやはり上海ガニ」と話す瀧さん。
カニ全般が好きだが、この時期の上海ガニは濃厚な味わいで他とは比較にならない。
中でも上海ガニ入りの小籠包(ショウロンポウ)は瀧さんにとって至高の一品。
中国では小籠包は一般的な料理だが日本では高級品として定着。うかつには手を出せない。
上海ガニ入りとなるとなおさら。
中国での駐在経験があるため、「自分としてはB級グルメと思っている」と解せない様子だ。

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