メディア 2025.09.26
《変化を進化に―26~27年秋冬PVパリから》㊦ 日本独自で存在感を発揮 先染めチェックが人気
《変化を進化に―26~27年秋冬PVパリから》㊦ 日本独自で存在感を発揮 先染めチェックが人気
繊研新聞:2025年9月26日(金)更新
プルミエール・ヴィジョン(PV)パリに出展した日本企業。
ラグジュアリーブランドの苦戦やインフレ、消費の二極化など欧州の市場環境は決して良くはないものの、日本のテキスタイルは表情や質感の良さで存在感を発揮している。
納期対応なども焦点
初の9月開催となった今回。
最終日にストライキが重なるなど来場者の少なさを口にする出展者は多かったものの、「予想以上」「例年より良かった」との声も複数で聞かれた。
来場者は中小規模のブランドが中心だった。開催タイミングの遅さを指摘する声もあり、納期への素早い対応も焦点となった。
日本ならではの素材への関心は強く、存在感を増している。
古着人気も手伝ってか、ビンテージ感のある先染めチェックの引き合いが例年以上に強いと話す出展者が多かった。
桑村繊維は、ミニチェックやオンブレーが好評。植山テキスタイルも綿ウールの起毛ツイルなどフランネル調の引き合いが多かった。
<記事内抜粋>
瀧定名古屋は尾州の素材を軸に、流し染めシリーズなどを提案。今後のポイントに供給力を挙げ、適地適品をタイムリーに供給できるサプライチェーン構築に改めて力を入れていく。
新素材の関心も高く
新興素材メーカーへの関心も強い。会場に入ってすぐのスマートクリエーションコーナーには、多くの来場があった。
バイオワークスは、改質PLA(ポリ乳酸)「プラックス」100%のフィラメントを使ったジャージーに引き合いがあり、綿混タイプもプラックスの抗菌消臭性を差別化機能として訴求した。
スパイバーも人工たんぱく質「ブリュード・プロテインファイバー」(BP)が広がりつつある。
中国のレディス「JNBY」、メンズ「CROQUIS」に採用が決まった。
素材バリエーションも幅広く、芯にPBT(ポリブチレンテレフタレート)繊維、鞘(さや)にBPとレーヨンを使い強度を高めたコアスパンヤーンを開発。
BPを用いた合成皮革も小松マテーレと共同で開発中だ。実用化に向けて顧客の声を聞き、開発に反映していく。