メディア 2025.10.28
ひつじサミット尾州 “普段見られない”が盛りだくさん
ひつじサミット尾州 “普段見られない”が盛りだくさん
繊維ニュース:2025年10月28日(火)更新
産業観光イベント「ひつじサミット尾州」が24~26日、
愛知県一宮市や岐阜県羽島市などの尾州産地一帯で開かれた。
参加企業は普段見られない工場を一般開放したほか、
モノ作りの体験会や繊維製品の販売会など多彩な催しを繰り広げた。
イベントは「使い手(消費者)と作り手(産地企業)がゆるく、ふわっとつながる」
ことを目的に2021年から毎年開催。
紡績や染色、織り、編み、整理などに携わる各企業が工場を開放するオープンファクトリーを軸とし、
今年は尾州の企業を中心に31事業者が参加した。
今年初参加の鈴憲毛織(一宮市)はレピア織機を11台備える工場を開放し
、
羊の人形やストラップ作りなどのほか、製品の展示も行った。
藤澤亨社長は「想定以上に多くの人が来てくれた。生地のことを知ってもらえるのはうれしい」と話した。
今回で5回目となるタキヒヨーは一宮工場にある希少な英式紡績機を披露した。
生地や糸のほか、ストールやひざ掛けなども販売した。
同社の片倉浩さんは「当社の立ち位置から消費者はかなり遠い。
そんな消費者の声をじかに聞けることは現場のやりがいにもなる」と語る。
初回から参加している瀧定名古屋は、残反や産地のファクトリーブランド製品を
ソトー内で販売し多くの消費者が来場した。
「アパレルと消費者で生地に対する目線が違うことが勉強になった」と話すのは、
今回初めて販売に立った同社の今井真子さん。
「イベントがもっと盛り上がって一般に尾州が知れ渡ってほしい」と望む。
ソトーは染色整理の工程を学べる工場見学ツアーを実施した。
連日とも9割近い定員で盛況だった。25日のツアーでは、社名の由来や会社概要のほか、
各工程に使われる設備などを説明した。
同社の小瀬木隆幸さんは「イベントの認知度は高くなっており、見学に来てくれる人は増えた」と述べた。
京都から来た女性はSNSの告知を見て初回から毎年参加している。
「各企業がこだわっているところが見られるので毎回面白い。参加するまでは尾州の名前さえ知らなかったが、
すごい産地ということを知ることができた。次回も参加したい」と笑顔で話した。

