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メディア 2025.10.29

瀧定名古屋婦人服地部 各課の強み生かす 海外販売、協業も拡大

瀧定名古屋婦人服地部 各課の強み生かす 海外販売、協業も拡大
繊研新聞:2025年10月29日(水)更新
瀧定名古屋婦人服地部は各課の強みを生かした提案を強化している。
26~27年秋冬向け展示会では約10年ぶりに課ごとのスペースを設け、それぞれの特徴を打ち出した。
各課の得意分野を可視化することで商談の場を増やし、取引を拡大するのが狙い。
「婦人服地企画室のディレクションでバランスのとれた提案ができた」と
小野高志婦人服地部長は振り返る。
(小坂麻里子)

 

同部はこれまで、ウールや合繊、ニットなど各課で扱い商材を広げてきた。
ただ、近年は猛暑対策でイージーケアの流れが続き「化合繊素材に偏った」という。
そのため天然素材を扱う課は改めて天然素材を強化し、強みを極める方向にかじを切った。
全体の素材数の集約は進めつつも、幅広い価格帯で市場のニーズに応えていく。

小野婦人服地部長

 

32課は尾州やイタリアのウールを扱っている。
全商品のうち2、3割が自社生産で、社員による生地設計を基に織布・染色したオリジナル企画が充実する。
さらに、同部の大きな強みは原料を仕入れる19課があること。
ウール、綿、麻などの原料を海外から仕入れており、ウールに関しては
「尾州産地のほとんどの原料を供給している」という。
17年に設立し歴史が浅い課ではあるものの、大きな規模に成長した。

 

自社生産で特徴ある企画を担うほか、原料から素材まで一貫提案できるスキームの構築で差別化している。
トレーサビリティー(履歴管理)が確立された素材の提案や国際認証の情報共有ができる点なども強みとみる。
こうしてより川上へと領域を広げたことで「自分たちにしかできない物作り」を実現した。

 

さらに、最近は製品納入の機能も構築。
出口を作ることで何千品番とある生地を提案できる選択肢を増やした。
「機能するのはこれからだが期待したい」と可能性を見いだす。

 

海外販売も強化施策の一つ。81、82課は合繊の輸出に力を入れており、
特にボトム向けの厚地合繊はドイツなどに安定して販売を進めているという。
また、婦人服地企画室と中国法人の瀧定紡織品上海が連携し、
インターテキスタイル上海や展示会で日本製商材の訴求を強めている。

 

そのほか、企業との協業で新しいアプローチも増やしている。
特に住友金属鉱山との協業で、瀧定名古屋がペレットから仕入れて開発している「ナイロール」は強化商材。
太陽光の近赤外線を吸収するレアメタルを練り込んだナイロールの光老化軽減や遮熱などの多機能性を生かし、
日傘としての採用が広がるなど実績を積み上げている。

 

ザ・ウールマーク・カンパニーやジェプランの「ブリング」など、
様々な企業・団体との協業にも力を入れていく。
今期(26年1月期)は生地販売の苦戦で減収の見通しだが、微増益を見込む。

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