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メディア 2025.10.30

Topインタビュー/瀧定名古屋/原料や素材軸での提案

Topインタビュー/瀧定名古屋/原料や素材軸での提案
繊維ニュース:2025年10月30日(木)更新
 

瀧定名古屋は素材軸の提案に力を入れる。
川上戦略を進めており、原料の調達から素材の開発、生産までを手掛けるなどしてビジネスを展開。
一つの素材で生地から製品まで打ち出すなど、
「自社内でも横断的なつながりができてきた」(瀧健太郎社長)。
素材力を武器に今後も引き続き新たな販路開拓や海外販売の伸長を目指す。

 
 
――会社として独自性を出すために何を磨いてきましたか。

当社は生地を中心とした素材を強みとして打ち出してきました。
最近は川上戦略として、自社で手配した原料を使い、

産地などで自家生産するなど自分たちの商品開発力を磨いてきました。
直近では原料からの独自性も追求しており、オリジナルの原料から生地を開発しています。
近赤外線を吸収し、熱中症や肌の老化防止に期待できる「ナイロール」はその好例で、
マーケットの裾野は着実に広がっており徐々に形になり始めています。
製品も素材からのアプローチで一定のポジションを築けていると言えるでしょう。

 

こうした取り組みはこれまで各部署がそれぞれでやっていましたが、
社内で横断的につながり始めています。
主力とするウール素材から機能性素材やサステイナブル素材などを広げていく中で、
各部署が有機的な連携が取れるようになりました。
独自原料を使い、それを生地や製品にまで広げて提案していく。
一つの素材を軸に社内での広がりができています。
 
――上半期(2~7月)の商況を教えてください。

製品部門は堅調に推移しました。
アイテムごとにセグメントを明確化するなど体制を変えました。
それによって攻勢をかける分野がはっきりし、それぞれ伸ばすことができました。
従来の分野は利益面を重視し物流や提案内容を精査しました。

 

一方で、服地部門は苦戦しました。
紳士は主力の郊外型店向けがフォーマルの生産調整で伸び悩んだほか、
婦人もリピート注文の減少に加えて、コートなど防寒商材が低迷しました。
中国向けを中心に海外販売も振るいませんでした。

全体では増収増益で着地できました。服地の苦戦を製品でカバーできました。

 
――中国輸出が苦戦したということですが要因は。

中国向けは日本品ベースで販売していますが、単価が合わなくなってきています。
そして、短納期に応え切れていないという課題もあります。
ネット系のアパレルは特に早い納期を求めますから、
日本国内のモノ作りの状況を考えると難しい面があります。
中国国内の景気減退が止まらないことも影響しています。

 

他の仕向け地では、欧州向けは伸長しました。
オランダの拠点を生かし顧客との接点を増やしたことが奏功しました。
一方で韓国向けは横ばいでした。

 
――今後の販売戦略は。

海外はターゲットとする顧客を明確にした上で、
その顧客が必要とする商品を供給していきます。
これまでは物量で商売していた部分もありましたが、
顧客を研究し、狙う先を絞った上できめ細やかな提案をしていきます。
そのためにも顧客への訪問頻度や接点をより増やしていくことが重要だと考えています。
中国向けでは現地で仕入れ、販売していく流れも加速させます。

 

国内ではスポーツやユニフォーム向けでも素材軸からの開発と提案を進めます。
今後さらに伸ばしていくとなると簡単ではありませんので、
当社の強みを改めて訴求し、顧客が求める形で納めます。

 
――社内での人工知能(AI)の活用状況は。

社内でいろいろなことを検討している段階です。
商品や品質などの情報をデータ化し、それをAIに学ばせることができれば、
さまざまな可能性があると考えています。
ファッションの分野は属人的なところで良い部分と悪い部分の両方があると思います
。良い部分は人ならではの感性やモノ作りの技術などで価値を生み出しているところです。
半面、悪い部分は人を介することで無駄やロスが生まれてしまうことです。
この部分をAIに任せることで解決できるのではと感じています。

 
 

〈ごはんのお供/外食続きで無性に食べたく〉

「最近は外食が多く、そんな中で無性に食べたくなるのがのりの佃煮」と話す瀧さん。
子供の頃はそこまで食べていなかったが、学生時代によく食べるようになった。
「おにぎりでは岩のりばかり食べていた」という時期もあり、のり全般が好みなようだ。
しかし、「今はカレーにハマっている」ため、のりの佃煮が食卓に登場する機会は限られる。
カレーのお供は福神漬けや、らっきょう漬けが王道だが、のりの佃煮になる日もそう遠くはない?

 

【略歴】

たき・けんたろう 1999年瀧定入社。2010年4月瀧定名古屋取締役、
14年1月瀧定紡織品〈上海〉総経理兼瀧定香港総経理、
18年1月瀧定名古屋取締役職能部門担当補佐を経て、同年8月から現職

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