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メディア 2025.12.08

瀧定名古屋婦人服地部 物作り機能を強化 尾州のラボ整備や人材育成

瀧定名古屋婦人服地部 物作り機能を強化 尾州のラボ整備や人材育成
繊研新聞:2025年12月8日(月)更新
 

瀧定名古屋婦人服地部は物作り機能を強化している。
ウール生地を中心に販売する同部32課は、生地開発を担う設計士の育成に力を入れる。
尾州産地内にあるラボをショールームとして整え、
取引先との商談や物作りの発信の場として活用を進めている。
(小坂麻里子)

 

オリジナル生地を開発

 

同課は仕入れ生地のみの扱いを変更し、15年から「自家生産」の取り組みを開始した。
自家生産は社内に設計士を配置し、設計図を基に産地企業に紡績や織布、
染色加工を依頼する親機(おやばた)の機能を指す。
オリジナル生地の開発を強みにしたい思いから始めたが、
当初は糸の買い方や設計書の書き方など手探りの状況で「いかに物作りがわかっていないか痛感した」
と小野高志同部部長は振り返る。
その分、生地を販売する課として自家生産は必ず成長につながると考えた。
小野部長、山口祐海朗同課課長、設計士の桂川隆志さんの3人が揃ったことを機に、
体制の構築を加速させた。

 

今では扱う国産生地のうち、自家生産が約2割を占める。
今年の夏に内装を整えたラボには尾州産地で生産したオリジナル生地約700品番が揃う。

 

ショールームの役割も

 

ラボは主力取引先の染色加工大手ソトー(愛知県一宮市)の工場内に立ち上げ、
23年にソトー旧一宮事業部内に移転した。
産地企業とのやり取りをスムーズに行う拠点として活用するほか、
取引先に物作り機能をアピールするショールームとしての役割を持たせている。
コロナ禍以降、アパレル企業が産地訪問を再び増やしている流れを受けて
「瀧定名古屋は単に生地を仕入れているだけでなく、
自分たちで作っているということを知ってもらうチャンス」とみる。

 

ラボにはジャパン・テキスタイル・コンテストの受賞作品も並べた。
今年度、エコロジー賞を受賞した再生ウール100%の生地は4品番を在庫する。
大手セレクトショップや新興ブランドなどが訪れているという。

 

設計士の育成にも力入れる

 

設計士の育成にも力を入れる。伴朋香さんと今井真子さんはテキスタイルを専攻後、同課に入社。
生産管理などを担当しながら意匠設計を行う。
同課の設計士の桂川さんや尾州産地企業の職人から技術を学び、現場ならではの経験を積んでいる。
「生地がなぜこうなるのか、なぜこの価格なのかなど、背景を知ることが成長の機会になる。
課のメンバーにとっても刺激になっている」と小野部長は話す。
今後も人材育成・技術継承を進め、尾州産地企業への継続的な発注でサプライチェーンの構築を目指す。

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